株式会社パワーソリューションズ
ITコンサルティングやシステムインテグレーションの事業を展開する株式会社パワーソリューションズ。
コロナ禍で希薄になった従業員間のコミュニケーションを活性化させるため、社内報の運用を構想。企業の情報発信などを支援するプロフェッショナル集団NewsPicks for Businessはその構想を支援しました。
また、社内報や学びのプラットフォームとして「NewsPicks Enterprise」を導入。現在は、2023年1月に開校した社内大学「Next Mile Univ.(通称、NEXT大学)」と呼ばれる社内研修制度でのNewsPicksの活用を推進中とのことです。
導入の経緯や狙い、実際の活用法、今後目指す方向性などについて、高橋忠郎代表取締役社長に聞きました。聞き手は同社の伴走支援を担当するNewsPicks for Business組織変革ストラテジストの加藤俊輔がつとめました。
株式会社パワーソリューションズ
高橋 忠郎
株式会社パワーソリューションズ 代表取締役社長
加藤 俊輔
CX事業部 組織変革グループ
社内報と学びのプラットフォームとしてNewsPicks Enterpriseを活用したい
NewsPicks(以下NP)加藤:
私たちは2022年1月からパワーソリューションズさんの組織変革を支援しています。その一環として、経済メディアNewsPicksを社内での情報発信・共有に活用するNewsPicks Enterpriseを活用していただいています。まずは導入の理由を教えてください。
高橋様:
NewsPicks Enterpriseを社内報と知識共有のインフラとして活用したかったからです。
まず、「社内報」。当社では、従業員満足度調査を毎年実施しており、かねてより「社内の活動を把握しにくい」「他部署の状況が分からない」という声が一定数あることを、課題として認識していました。ただ、明確な打ち手を見いだせないまま、社内のイベントで事業報告をしたり、部署横断でコミュニケーションを図ってもらったりと、有り体な対応に留まっていました。
しかし、コロナ禍をきっかけに対面のイベントも自粛せざるを得ず、さらに従業員満足度調査でもコミュニケーションを求める声が一層高まっていました。いよいよ明確な打ち手を考えなければということで、本腰を入れて対策を検討していたときに、管理部門を統括する取締役から、NewsPicks Enterpriseを提案されました。
NewsPicks Enterpriseのサービスは、様々なニュースを得られる「経済メディア」に加えて、「社内報」としてNewsPicksのアプリやサイトの中で、社内の情報を共有できます。これなら社内の活動や他部署の状況を発信するプラットフォームとして活用できるのではないかと思いました。
NP加藤:
導入の決め手は何だったのでしょうか?
高橋様:
特に「知識共有」として活用できるところに意義を感じたからです。
実は、NewsPicks Enterprise導入前に「社内大学」の構想を練っていました。社内大学とはセミナーや研修制度の総称で、2023年1月の開校を目指していました。私は大学で教育学を専攻していたこともあり、「人づくり」は個人的にも関心が高いテーマです。経営の一つの柱にも人材育成を掲げており、経営者として従業員一人ひとりの成長を企業価値の向上に繋げることをポリシーにしています。
社内大学は、そのポリシーを具体的な構想に落とし込んだ制度です。新卒からマネジメント層まで、個の価値を高めて成長を促すために、あらゆる階層の研修を充実させることで、社員が「仕事をして、自分自身の未熟さを知り、
足りない部分を埋めるために必要としているスキルやスタンスをこの大学で学び、さらにまた次の成長(ネクストマイル)を追い求めること」をできるようにしたいと考えていました。
この社内大学の開校に向けて、NewsPicks Enterpriseを学びの風土醸成に役立てたいと考えたのです。インプットのためだけならば、他のメディアという選択肢もありましたが、ニュースと社内報とをワンセットで展開できることがNewsPicks Enterpriseの魅力でした。そこで、社内大学開校に先駆け、2022年1月から導入しました。
NP加藤:
パワーソリューションズさんは、NewsPicks Enterpriseで積極的に社内限定の記事を配信されています。約15名の編集部で運用されていますが、どのように設計し、発信を継続されているのでしょうか。
高橋様:
社内報の情報発信は、すべて社内のメンバーが自ら企画立案から記事制作までを行っています。もともと当社には広報部門が存在せず、社外はもちろん社内の発信に慣れていませんでした。編集部立ち上げ当初、どのような記事を発信するべきなのか悩みました。そこで、加藤さんをはじめNewsPicks for Businessの皆さんにも月1回の企画会議に入っていただき、議論を重ねました。
企画会議を経て、まず記事のテーマを決めました。大きく「個人」「チーム」「経営者のメッセージ」の3つです。
「個人」がテーマのコンテンツは、従業員へのインタビュー記事です。制作メンバーが新入社員にインタビューを実施し、仕事への思いなどを深掘りして記事にまとめています。また、社外取締役のインタビューを実施して、社外からは当社がどう見えているのか考察してもらう記事もなども制作しました。
「チーム」では、社内で表彰されたチームをインタビューして表彰の理由を探ったり、ナレッジの共有を目的に深い専門知識を持つ従業員同士で対談したりと、バリエーションに富んだ記事を制作しています。
他にも、入社式や納会、バーベキュー大会などの社内イベントを、レポート記事として発信しました。当社は従業員同士の仲がとても良いところが魅力だと思いますので、当日の内容をしっかり記録したいという考えです。
3つめが「経営者のメッセージ」。経営層の考えをダイレクトに伝えたいと考え、私が「社長コラム」の執筆を担当しています。例えば、出張先で起きた出来事や業界の新潮流、パワーソリューションズのビジョンなどを文章にまとめて配信しています。
NP加藤:
NewsPicksの導入に付随して、NewsPicks for Businessとして、編集力養成セミナーなどの支援を提供させていただきました。2年にわたり皆様の活動を拝見してきましたが、企画や記事のクオリティは日を追うごとに高まっていますよね。
高橋様:
NewsPicks for Businessの記者・編集者さんのセミナーや、定期的な伴走支援の効果は大きいと思います。アドバイスも非常に具体的で「タイトルをこう変更してみては?」「画像をこう変えると引きが強くなる」などプロならではの視点ばかりで、記事のブラッシュアップつながっています。ここで得られたスキルは記事制作に限らず、コアワークで提案書を書く場面でも、頭の中の整理にも役立っているようです。
また、発信した記事に対する評価やアドバイスも継続的にいただいており、間違いなくメンバーのモチベーションを保つことにつながっていると思います。私自身、編集部の記事制作に直接関与することは少ないのですが、社内報のメンバーが生き生きと楽しく、積極的に社内報を手掛けている様子を見ているので、それが何よりです。
NP加藤:
NewsPicks Enterpriseの導入から約2年。どのような手応えを感じていらっしゃいますか?
高橋様:
従業員の8割以上が利用しているこの社内報に対するアンケート調査をしたところ、ポジティブなフィードバックがありました。具体的には、「色々な人の人となりや考え方を知れて面白い」「新卒の頃に関わった社員の成長を知れて感慨深かった」「会社の雰囲気が記事にも反映されている」などの声が寄せられました。
NP加藤:
まさに、高橋社長が当初抱えていた課題を払しょくできたかのような、素晴らしい反響ですね。実際にデータを見てみると、記事の閲覧数も右肩上がりに増えています。
高橋様:
これは私の主観ですが、文章が上手い人が書いているからとか、文章がすごく上達したからといった理由で読まれるようになったわけではない気がしています。社内のメンバーがインタビューして、拙い文章でも自分の言葉で書いた記事には、かなりの「いいね」がつくんです。
例えば「福利厚生施設の利用レポート」。われわれが加入している健保組合の保養所を実際に使ってみて、どのような感想を抱いたのかといったレポート記事があるのですが、かなりの反響がありました。最初はプロが書いた記事じゃないと読まれないのではないかと思っていたのですが、実は社内報ゆえに「中の人」が書いた文章を読みたがっているということに気づいたできごとでした。
NP加藤:
今後の展望についてお教えください。
高橋様:
2023年1月にスタートしたNEXT大学との連携です。今後はNewsPicks Enterpriseを活用して、受講生による研修内容の説明や振り返り、研修の宣伝などを配信したいと考えています。NewsPicksを学びのインフラとして利用していきたいです。
NP加藤:
われわれとしても、さらなるサポートで学びのインフラ構築をアシストさせていただきます。
高橋様:
ありがとうございます。将来的には社内報の記事にとどめずに、社外への発信をしたいと考えています。現在、社内報制作チームが広報のような立ち位置で活動しているので、メンバーが培った知見を社外認知に役立てたいです。